花見山森のあそび場
住宅地のすぐ近くにある小さな山。通称「花見山」。
かつて、地元の人たちが花見をしに登っていたことからそう呼ばれている。
はじめてこの山に出会ったとき、山は荒れて藪だらけだった。
人の手が入らず荒れてしまった山を、再び子どもたちが遊べる山にしたい。
山の中にあそび場を作るところから、子どもたちと一緒に作っていこう。
そうして活動を始めてから4年。今では山の中を走り回れるほどになった。
手のかかる子どものようなこの山に、子どもたちが「あそび」ながら関わっていく。
かけっこスクールと花見山開拓隊の活動で、楽しく山を好きになっていく。
そんな時間が過ごせたら、どんなに素敵だろう。
「山を走ると楽しくなる」
「子どもがあそぶと山がきれいになる」
楽しい山の時間を見つけに行こう!
花見山森のあそび場ってどんなとこ?
「花見山森のあそび場」は、みやうち冒険あそび場の会の2つめのフィールドです。
本当は山の中で遊びたい。けれども、そんな場所はなかなかない。
そうか、ないなら作ればいいんだっ!
という想いからできたのが「花見山森のあそび場」です。
山を切り開いてできた手作りのあそび場。
ここには本当に何もありません。
みやうち冒険あそび場のように、遊びやすそうな道具や、火や、水もありません。
ただ、山があり、森があり、道があり、広場があるだけです。
でもそこには、無限の楽しさがそこらじゅうに隠れています。
地面はなんだかふかふかしていてトランポリンの上を歩いているよう。
森に目が慣れてくると、草の違いや木の違いに気づいたり、花が咲いているのを見つけられたりします。
平らな場所などなく、どこもかしこもなんだかナナメ。
急斜面を降りたりよじ登ったりするのも探検のようで楽しいです。
風が吹くたびにカサカサと心地いい自然の音色が広がり、日差しをさえぎる木陰は天然のクーラー。
そして何より、鼻から感じる自然の香り。
草の匂いや木の匂いが辺りを包み込み、思わず深呼吸したくなる心地よさ。
森の中って意外と気持ちいいかも?
子どもたちはというと、森の中を走り回ったり、探検したり、道具を使ってみたり、秘密基地を作ったりと様々です。
そんな風に子どもたちが森の中であそぶと、地面が踏み固められたり、枝や落ち葉を集めてくれたり、危ないところは大人が処理したりして、森が自然と「里山」になっていきます。
子どもはたくさんあそんで、大人は森の心地よさをたっぷり堪能して、
みんなで森の時間を楽しみましょう♪
花見山森のあそび場のプログラム
「花見山森のあそび場」では、1日の活動の中に「かけっこスクール」と「生き物探検」と「花見山開拓隊」の3つのプログラムがあります。その日の天候や季節によってプログラムが増えたり減ったりすることもあります。
※2022年度は講師の都合で「かけっこスクール」のない日があります。
かけっこスクール
山を走ると楽しくなる!
野山を走って自然を感じながらカラダづくり!
トレイルランナーの「コーチ」といっしょに山を走ろう!
急斜面を登ったり、デコボコ道を走ったり。
冒険みたいで楽しいよ!
トレイルランニングって知ってますか?
平坦な道を走るランニングとは違って、山道(トレイル)を走る競技です。
実は最近じわじわと人気が出てきているんです。
山道って斜面だしデコボコだし、平らなところがありません。
そこを歩いたり走ったりすると、平地を走るよりも体のいろんな部分を使います。
体幹やバランス感覚が鍛えられたり、体力がついたり、刻々と変わる路面状況を見て次の足をどこに置くのか判断していったり。
ちょっとずつ走るスピードが上がる、タイムが早くなる、最初は苦労していた斜面もスイスイと登れるようになると、どんどんおもしろくなって自信もついていきます。
自然の匂い、音、目で見る色、手触り・・・。自然の中で取り組む活動だからこそ、自然全身と五感を使って感じられます。
走る爽快感と、自然の気持ちよさを大人も子どもも楽しみましょう♪
生き物探検
季節ごとの生きものの様子を教えてもらいながら
昆虫や生き物を探そう!
生き物が大好きな「ふくろう先生」といっしょに生き物探検をしよう!
チョウやトンボやカブトムシだけじゃない生き物のおもしろい世界。
葉っぱの裏側や地面を歩く小さな生き物にも一つ一つのストーリーがあるんだよ。
カブトムシ・クワガタ・コガネムシ・タマムシ・セミの抜け殻・毛虫・チョウ・バッタ・ゴミムシ・アリ・ミミズ…
ふくろう先生がいると、どんな生き物もおもしろく見えてくるのがおもしろい!
子どもたちよりもキラキラした目で生き物のことを教えてくれるふくろう先生と遊びましょう。
花見山開拓隊
子どもがあそぶと山がきれいになる!
森づくり&森あそびを楽しもう!
花見山はカタチを変え続ける「あそび場」です。
春には草花が芽吹き、新緑の時期を経て夏には緑が生い茂り、秋にはきれいな紅葉や木の実がたくさん、冬にはすっかり葉っぱがなくなった森が見られます。
季節ごとに変化する森の様子に加え、ここでは「人」が「森」を作り続けています。
かけっこスクールで走る道を増やしたり広げたり。
つまづきそうになる木の根っこを引っこ抜いたり。
広場の周りを少しずつ広げていったり。
まだ雑木ばかりの場所を探検するように切り開いていったり。
その先に道が作られたり広場が新しくできたり。
切った木を使って机や椅子や屋根ができたり。
ぶらんこや展望台を作ったり。
遊べそうな急斜面にロープを垂らしてみたり。
生き物の痕跡や、いろんな植物の不思議を発見したり・・・
「これをやってみたい!」と思ったことを、みんなであれこれやってみて楽しみたい!
大人も子どもも、冒険心とワクワク感を胸に森の時間を遊びたい!
そんな時間が「花見山開拓隊」です。
森が好きな子どもを育てたい
○森で過ごす時間を『楽しい』と思えること
花見山森のあそび場は、あそびを中心とした環境教育の場であると考えています。
環境教育にもたくさんの種類や目的がありますが、花見山森のあそび場で目指したいのは
「森を好きになる」
という環境教育の入口の部分です。
どんな分野のことも、まずは好きになること、興味を持つことが大切です。
一度好きになったことは、誰から言われるでもなく自ら学び、深めていくのが人です。
子ども時代は、たくさんの「好き」のタネに出会う時期であるとも考えています。
たくさんの好きのタネの中から、芽が出て大きくなっていったものを大切に育ててほしいと思います。
「好き」になるには、まず「楽しい」と思えること。
「森が好き」になるには、まず「森で過ごす時間が楽しい」と思えること。
かけっこスクールと花見山開拓隊は、「森で過ごす時間って楽しいね!」と子どもたちに感じてもらえるプログラムを考えた末にたどりついたものです。
○子どもがあそぶと山がきれいになる
子どもが森を走り回ると、地面が踏み固められて道ができていきます。
子どもたちは探検が好きです。すでにある道ではない場所もどんどん進みます。そうしたところでは、獣道ならぬ子ども道ができていきます。
子どもたちは秘密基地を作るのも好きです。
自分たちだけの特別な場所を作るために、草を刈って木を切って住みやすくします。
道具も使ってみたいものです。いろんな道具を試すために、細い木を切っていきます。切った木は邪魔になるのでズルズル引きずって積んでいくと、運ぶことや積むことも楽しくなってきます。
素敵な木の棒があったら、基地の材料や自分の装備するブキとしてとっておきます。木の棒は一か所に集まっていきます。
子どもが探検したがる、木を切りたがる、走りたがる。そんなことが見えてくると、大人たちは枯れ木やかかり木などの特に危険な木を優先的に取り除いていきます。その木にアクセスするための道もついていきます。
かぶれの木を取り除いたり、ヘビのいそうな藪を減らしたり、ハチの巣に気を配ったりもします。
子どもが遊び、大人が「あそび」の環境を守っていると、山がきれいになっていきます。
いま、整備しきれずに荒れてしまっている小さな山や森がたくさんあります。
そんな小さなや山や森を、子どもの「あそび」を中心に、無理なく・楽しく・関わるみんなが笑顔になれるような、持続的に維持していくしくみが作れないか。
花見山森のあそび場の活動は、「あそび」を中心とした持続可能な森林環境の維持の試行の場でもあります。
道具
花見山森のあそび場には、花見山開拓隊の時間に使える道具があります。
のこぎり・カマ・草刈りばさみ・枝切ばさみ・シャベル・フォークなどなど。
ちょっと油断するとケガをしそうな道具たち。
どの道具も自由に使ってもらってよいのですが、どの道具ならわが子にも使えるかは、各ご家庭の判断をお願いします。
いろんな道具を使ってみるのもよい経験です。
最初は「のこぎりを使ってみたい!」がスタートです。
木が切れていく様子、手に伝わる振動、木の粉が出て、切れ目が進んでいき、木が切れる。
切った木は思ってた以上に重いことや、倒れるときの迫力のある音や葉っぱの匂い。
ただ「木を切ってみる」というだけでも、たくさんのことに触れることができます。
何度か道具を使ってみると、「あんなものを作ってみたい」などのイメージもムクムクと育っていきます。
道具を使うところからも、山っておもしろいと思ってもらえたらうれしいです。
山あそびにケガはつきもの
山は不整地です。普段生活している平らな地面じゃありませんし、歩きやすい固い地面でもありません。
そんな場所を歩けば、普段よりずっと疲れやすく、転びやすくなります。
すり傷、切り傷はよくあります。でもそれもいい経験です。
みやうち冒険あそび場の会では、「ケガは自分の責任」であり、「あそびのケガは子どもの勲章」だと考えています。
その考え方は、ここ花見山でも同じです。
足の置き場が悪かった経験をすると、次の足をどこに置くか考えながら歩くようになります。
手をかけた枝が枯れていてポキッと折れてびっくりした経験をすると、いきなり枝に体重をかけずに、折れないか確認しながら体を預けるようになります。
急斜面を何度も登り降りしていると、安全で速く登り降りできる体の使い方が身につきます。
トゲのつるが刺さって痛かったら、次からはトゲのつるには目ざとくなります。
たくさんの小さなケガや、たくさんの小さな失敗や、たくさんのちょっと危ない体験を重ねて、子どもたちは大きな危険から身を守ることを知ります。
ここ花見山は、普段の町や公園よりもずっとたくさんの「小さなケガ」や「たくさんの失敗」に出会える「生きた学びの場」です。この貴重な学びの場を守っていくために、「あそびのケガは子どもの勲章だ」という大人の姿勢が欠かせません。
どうぞ、その点をご理解の上、子どもたちを「花見山森のあそび場」へ送り出してください。
その他の注意事項
花見山森のあそび場のフィールドは自然に囲まれた山の中です。
そこは、山ならではの気をつけなくてはならないことであふれています。
ヘビ、ハチ、マダニなどが生息しています。むしろ、彼らの家にお邪魔するような形になります。
虫刺され、擦り傷、切り傷などには十分ご注意ください。
また、工具の取り扱いなどの不注意によるケガには十分ご注意いただき、お子様が参加される際には事前の声掛けをお願いします。
飲み物は各自でご用意ください。特に暑い時期の山の中では、意外とたくさん水分がほしくなります。
動力(チェーンソー、草刈り機などの機械類)は大人だけが使います。
活動中には、活動の記録や広報等に使用するため、写真撮影を行います。あらかじめご了承ください。
開催案内
開催日(2024年度)
4/7
5/5
6/9
7/15
10/6
11/10
12/1
1/5
2/2
3/2
時間
9:30 受付開始
10:00 集合完了、はじまりの会
かけっこスクール(野山を走って自然を感じながらカラダづくり)
11:30 お昼休み(持ってきたお弁当を食べよう)
自由時間(生き物探検など)
13:00 花見山開拓隊(森づくり&森あそび)
14:30 かたづけ、おわりの会
15:00 さようなら
対象
3歳以上の子ども(3歳未満の子どもや、大人もぜひ一緒に遊びましょう。)
持ってくるもの
お弁当・おやつ(疲労防止・補食のため)・水筒・作業手袋(自分の手の大きさに合う軍手)・タオル・敷き物・その他必要と思われるもの
・山では水が限られます。自分用の手洗い水を持って行くといいですね。
・アルコールのウェットティッシュがあるとお弁当の前に手を拭けます。
参加費
こども1人1000円(3歳以上)
おとな1人500円
参加申し込み
以下のフォームからお申込みください。
※申し込み多数の場合は抽選となります。
https://forms.gle/aSLncD4sxxoboM7T7
はじめて参加されるときに「参加申込書」の提出をお願いします。(みやうち冒険あそび場と同じもの、当日受付にあります)
場所
広島県廿日市市宮内 花見山森のあそび場
駐車場
花見山のふもとに2か所の駐車場をお借りしています。
①広い駐車場
県道に面した広い空き地です。出入りしやすく停めやすいのでこちらがおススメです。
駐車場から集合場所まで少し歩きます。
②草地駐車場
花見山入口広場です。狭い道・狭いトンネルが得意な人向きです。
雨のあとには地面がぬかるんでいることもあります。
雨のとき
小雨決行、雨天中止です。
中止の場合はFacebookページにてご案内します。
ご支援のお願い
花見山森のあそび場は、ボランティアスタッフと限られた資金で運営しています。
道具は子どもたちが使うこともあり、消耗品のように消耗します。
寄付・カンパ・ご家庭で使わなくなった道具の提供などでのご支援をお待ちしています。
「活動を応援する」ページもご覧ください。
助成について
この活動は、ひろしまの森づくり事業補助金の助成を受けています。
http://www.moridukuri.net/(ひろしまの森づくりネット)